原稿用紙2枚分

はてなブログの文字カウンターで800字分。800文字で表現する練習をしています。

普通のOLになりたかった人生だった(完)

幼稚園の時に「将来なりたいもの(職業)は?」と聞かれると、一般的なウケの良さを優先して、よく「スチュワーデス(現キャビンアテンダント)になる」と回答していた。パン屋さんやお菓子屋さんには一切憧れず、なりたい職業も思いつかなかったのだった。

小学生の頃は漠然と「イラストレーター」に憧れた。イラストレーターという職業の人が何をしているのかさっぱりわかっていなかった。

中学生になると多少知恵がついて、銀行員や公務員になりたいと思っていた。手堅くて安定した(当時)職業。

高校生の頃は、手に職をつけたいと思っていた。可能であれば理系に進んで建築を勉強できたらいいなと思っていた。しかし物理と数学が壊滅的にだめだったので、その願望は立ち消えた。臨床心理士か図書館司書になりたいと思い始め、調べてみたものの、なぜか自分の受験時期に心理学がブームになったのと、臨床心理学を学べる文系の学校が非常に少ないこと、学んでも大学院まで進まないとあまり意味がないことなどを理由に臨床心理士は消えた。

大学では図書館・情報学を学んだ。これもなぜか私が誰にも影響されずに選んだ学科だったはずが、当時人気が上がってしまって困った。公務員試験を受けないと望むような司書の職には就けないことを知り、諦めてしまった。

就活では何の希望もなく、マスコミに行きたかったわけでもなく、膨大な就活資料の資料請求はがき(そうです、リクナビはまだ生まれたてほやほやの時期だったので使っていなかったのです)から多少なりとも興味のある会社にはがきを出し、エントリーシートを書いた。就活の頃の自分を振り返るのはつらい。自分には何ができて何がやりたいのか、本当に何もわからなかった。ただただ「普通に就職して普通のOLになりたい」と思っていた。

「普通」ってなんなんでしょうね。でも私の憧れは心から「ごく普通のOLになること」だったのだった。